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タコのヒト

Neighbor's Ramen Shop 綾海105
萩原 厚 さん

多古町中村地区出身の萩原さんは、海外留学、空港勤務、精神的に苦しい時期、そして再起を経て、現在はラーメン店「綾海105」を営んでいます。 その一杯には、努力と優しさ、そして地元への想いが詰まっています。 「食べた人がちょっと元気になってくれたらいい」そう語る店主 萩原さんのラーメン店への思いを伺いました。

多古町のご出身なんですね。

はい。中村地区の生まれで、48年間ずっと多古町で暮らしています。
高校までは町内周辺で進学していました。学生時代にこれと言って将来やりたいことはなかったですが、当時は海に夢中で、サーフィンばかりしていましたね。

サーフィン仲間からの誘いでオーストラリアへ。

サーフィン仲間の友人がオーストラリアに留学していて、「一緒にどうか」と誘われたんです。
当時は軽い気持ちで行ったんですが、英語にはもともと興味があり、親からの後押しもあり語学学校にも通いました。半年間の滞在で、生活の中で自然と英語を覚えました。現地の人の明るさや自由な雰囲気に影響を受けましたね。

帰国後はどのような仕事に?

空港関係の仕事で、入国管理局の下請けで働いていました。
不法入国などで収容される外国人の対応をする仕事です。厳しい現場でしたが、中国・フィリピン・アメリカなど、いろんな国の人と接する機会がありました。
言葉だけでなく、「文化の違い」を肌で感じる貴重な経験だったと今は思います。

その後、飲食の世界へはどういうきっかけで?

当時お付き合いしていた彼女(現妻)と結婚する頃、ちょうど仕事を辞めていて、いわゆるニート状態でした(笑)。
サーフィンをしていたので体をずっと鍛えていたこともあり、当時はほとんどラーメンを食べていなかったのですが、居酒屋のバイトで後輩に「富里に新しいラーメン屋ができた」と紹介されて、面接を受けて入ったのが、全国でも有名な鶏白湯煮干しラーメンの店でした。
入ってみたらとても厳しい現場でしたが、1年くらいでお店を回せるようになり最終的には店長まで任されました。 そこからは、地方などに渡航し色々なラーメンを食べてラーメンの味をインプットしていきました。

修行を重ねる中で、挫折もあったそうですね。

はい。次に修行した船橋の店では、肉体的・精神的なストレートが酷くて3ヶ月で辞めました
。心身ともに疲れて、うつ状態になり、半年くらい家から出られない時期もありました。 でも、そんなときに救ってくれたのが“海”でした。怪我のリハビリもかねて海に入ると、不思議と心が落ち着いて、「もう一度やり直そう」と思えるようになりました。

再び飲食業へ戻ったきっかけは?

後輩の居酒屋を手伝っていたとき、以前勤めていたラーメン屋の方に「今度イタリアンをやるから戻ってこい」と声をかけてもらいました。そこでピザ店の店長として働きました。
でも、いざ自分の店を持ちたいと思ったとき、「イタリアンよりラーメンの方が自分らしい」と感じたんです。自分の味を表現したい。そう思ってラーメン屋を開店することにしました。

そして、ラーメン屋をオープンしたわけですね。

最初は横芝光町にお店をオープンしました。その後、旭市にも2号店をオープンしたが人手不足の影響で閉業、現在は横芝光町の「千夏8」と多古町の「綾海105」の2店舗を営業してます。 開店後すぐにコロナがきて、売上についても厳しい状況が続きました。でも、常連さんが「また食べにくるよ」と言ってくれて、その言葉が支えになりました。

ラーメンづくりのこだわりを教えてください。

スープもタレも、全部一から自分で仕込みます。レシピは固定せず、その日の気分や季節で変えるんです。
年間150杯以上は他店のラーメンを食べ歩いて、気になる味をインプットし、試作品を常連さんに食べてもらって、「これ、うまい!」と言ってもらえたら商品化します。
席数は10席ほどしかないので、常連さんとはほとんど顔なじみです。昼は現場仕事の方やサラリーマン、学生の親御さんも多いです。たまに、小さいお子さんを連れてご来店される方もいらっしゃいます。

現在の課題と、これからの目標を教えてください。

やはり人手不足が一番の課題です。材料費も上がっていて、特に鶏や煮干しは倍以上になっています。 また、子どもが3人いるので、行事が重なるとどうしても仕込みが難しいため不定休営業になってしまっています。 今は週3〜4日の営業で、SNSで告知するスタイルです。お客さんも理解してくれていて、「今日はやってる?」って気軽に連絡をくれます(笑)。
でも、やめるつもりはありません。2階のスペースを活用して、地域の人が集まれるスナックのような場所を作りたいと思っています。 多古町に「うまいラーメン屋がある」と言われるように、地元に根ざした店を続けていきたいですね。